演劇コンセプト 日記形式による物語の曖昧な語られ方、そして登場人物の本当のコミュニケーションが直接ではなく、日記を通して暗々裏に行われるのを表すために、家のようなスペースで、4つの別々の部屋でそれぞれ音楽を展開する作品の計画を立てている。観客は自由に部屋を行き来しながら、登場人物のキャラクターが表された演奏を聴く。観客は、物語のイメージを得るだろうし、一人の登場人物の演奏を聴き続けることを選ぶかもしれないが、このパフォーマンスの性質上、全ての登場人物のことや物語全体を知ることはできない。意図には観客の一人ひとりが異なる印象を持ち、作品と物語を異なるように理解することにある。また、観客のいない時にも、登場人物が生き続け、音楽が展開し続けることにも興味がある。観客は、小説の読者と同様に、登場人物の動機や行動、そして彼らがどんな風に他の登場人物に影響されるのかについて考え、想像を膨らませることが求められる。 |
「木村」という登場人物については、歌手ではなく、ダンサーによるパフォーマンスをすることにしました。彼は、この小説で一番ミステリアスな登場人物なので、家族とは別の表現様式が必要だと考えたのです。このプロジェクトのR&Dに、振付者として、Whole Hog Theatre's Alexandra Rutterはご協力していただきました。この素晴らしい活動についてはこちら。